ビス?木ネジ?木工DIYに使うネジはどれ?種類や選び方を解説【初心者向け基礎知識】

ネジ・ビス 材料

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木工DIYを行う際、木材の組み立てに必要な「ネジ」。釘を打つよりも固定力が強く、DIY初心者でも比較的扱いやすいのが魅力です。

しかし、いざ木工DIYのネジを購入しようとすると「サイズ・種類がありすぎてどれを選べばいいのかわからない」「木ネジ・ビスなど名称の違いはなに?」と、悩む人も多いでしょう。

今回は、木工DIYに使う頻度が高いネジの種類・選び方を解説します。

超基礎的な内容なので、ネジ選びに迷うDIY初心者はぜひ参考にしてくださいね。

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そもそもネジとは?

雄ネジ・雌ネジ

「ネジ」とは、ネジ山(らせん状のギザギザした溝)があるものの総称です。ボルトのように軸の外側にネジ山がある「雄ネジ(おねじ)」と、ナットのように内側にネジ山がある「雌ネジ(めねじ)」の2種類があります。つまり、ナットもボルトもネジの1種です。

基本的なネジの構造・名称は、以下のとおり。DIY初心者は、チェックしておきましょう。

ネジの構造・名称
ネジの構造・名称

「ピッチ」はネジ山同士の幅のこと、「呼び径」はネジ山の外径の直径を指します。頭部・先端の形状や長さ・ピッチなどのサイズは、商品によってさまざま。この世には、とんでもなく多くの種類のネジが存在します。

ネジとビスの違い

ネジとビスの違い

「ネジって言ったりビスって言ったりするけど、2つは違うものなの?」と疑問に思っているDIY初心者も多いでしょう。結論を言うと、ビスはネジの一種です。前端が尖っており、木材などに直接打ち込める雄ネジを指します。

木工DIYにおいて木材の組み立てに多く使われるのが、「ビス」と呼ばれるネジです。

木ネジとは、木材の接合に使用する半ネジのビス

木ネジ

木ネジ(もくねじ)とは、文字通り木材の接合に使用するビスのことです。一般的に、全体の3分の2程度がネジ部になっており(半ネジ)、頭部の下の部分には溝が刻まれていないのが特徴。ネジ部・先端は木材に入り込みやすい形状で木材同士がしっかり固定でき、幅広い木工DIYに使われます。

つまり、木材に特化したビスが木ネジ。半ネジについては、「木工DIYに使用する木ねじの選び方」の項でくわしく解説します。

✓「釘」と「ネジ」、木工DIY初心者にはどちらがおすすめ?

DIY初心者には、木材にまっすぐ打つのが比較的簡単なネジの使用がおすめ。電動ドリルドライバーを使用すれば、力を使わずラクに木材が固定できます。失敗したときに抜きやすいのも、ネジのメリット。釘を打つよりも作業音が小さいため、室内での作業にも向いています。

木工DIYに使用する木ネジの種類

ネジの種類は多すぎて、すべてを説明するのは困難です。ここでは、木工DIYに使用されることが多い木ネジの一般的な種類・特徴を解説します。

コーススレッド:木工に使われるスタンダードなネジ

コーススレッド

コーススレッドは、木工DIYに使用される最もスタンダードなネジです。ピッチ(ネジ山の間隔)が広く、深くて鋭いネジ山が特徴。しっかり食い込んで木材同士をがっちり接合する、締結力の強さが魅力です。テレビ台・ベッドなど、中~大型家具の組み立てに向いています。

「コース=粗い」「スレッド=ネジ山」。粗いネジで木割れしやすいので、使うときは下穴をあけるのが必須です。

スリムビス:切り込み入りの先端で下穴がなくても打ちやすい

スリムビス

スリムビスは、コーススレッドよりも細くてピッチが狭く、ネジ山が浅いのが特徴。一般的に先端部がV字で切り込みが入っており、下穴をあけなくてもキレイにネジが打ち込めます。食器棚・チェストなど、中型の木工DIY家具の製作に便利です。

ミニビス:軸が細く頭が小さいので目立ちにくい

ミニビス

スリムビスよりもさらにスリムでピッチが狭いのが、ミニビスです。ネジの頭部が小さいため、打ち込んだ後に目立ちません。飾り棚・木箱など、小さな木工DIYに最適なネジです。

ミニビスはDIY初心者でも扱いやすいネジですが、釘のように細いので折れたり切れたりしやすいのが難点。打ち込むときに、力を加えすぎないよう注意しましょう。

タッピングビス:木工用ではないが木材への使用も可能

タッピングビス

タッピングビスは、厳密に言うと木ネジではありません。しかし、よくわからないままタッピングビスを選ぶDIY初心者が多いので、ここで解説しておきます。

タッピングビスは、鉄・アルミ・樹脂などの固定に使用するのが本来の目的のネジです。木工DIYに使うのも可能ですが、厳密には木材用ではありません。先端からネジ頭の根本まで全体がネジ部なのが、タッピングビスの特徴です。

木材は、経年劣化で次第に痩せていきます。ネジ全体に溝があるタッピングビスは、根本まで木材に切り込んでいる分、木が痩せるとともに緩んでしまいがちです。頭部の下の部分に溝がなく太さがある木ネジ(半ネジ)は、木が痩せても緩みにくい特性があります。

タッピングビスは種類が豊富なのが魅力。特徴を理解した上で、木工DIYへの使用を検討しましょう。

木工DIYに使用する木ねじの選び方

木工DIYに使用する木ネジを選ぶ際は、長さ・素材・頭部の形状などに注目するのが大切です。選び方のポイントを押さえて、DIY作品に最適な木ネジを選びましょう。

目的に合わせて半ネジ・全ネジを選ぶ

半ネジ・全ネジ

木ネジは、ネジ部の割合によって「半ネジ」「全ネジ」の2種類に分かれます。それぞれの特徴を解説します。

半ネジ:ネジ部が3分の2程度、木材が隙間なく接合できる

半ネジ

半ネジは、ネジ部が全体の半分~3分の2程度の木ネジです。頭部の下の部分に溝がなく締めるときに空回りするため、ネジが効いた下側の部材が引き寄せられるのが特徴。木材同士を隙間なく密着固定できるため、基本的な木工DIYの組み立てには半ネジを使うのがおすすめです。

全ネジ:先端から頭部までネジ部、補強に最適

全ネジ

全ネジは、先端から頭部まですべてがネジ部なのが特徴。ネジ全体が木材に切り込んで空回りしないため、木材同士をしっかり密着させてネジ打ちしないと隙間ができてしまいます。クランプなどでぴったり固定すれば木材の組み立てにも問題なく使えますが、DIY初心者は半ネジを使用するのがおすすめです。

一方で、根元までしっかりネジが効くので強度が高く接合できるのが全ネジのメリット。組み立てた木工DIY作品を補強するのに最適です。

サイズが小さい木ネジは、全ネジしかないケースもあるので覚えておきましょう。

長さは木材の厚さの2~3倍が目安

長さは木材の厚さの2~3倍が目安

木ネジの長さを選ぶときは、以下の2つの基準を覚えておきましょう。

  • 接合する木材の厚さの2~3倍の長さ
  • 接合する木材の厚さ+20mm

たとえば、15mmの厚さの木材を接合する場合は、30~45mmあるいは35mmの長さの木ネジを選ぶといった具合です。上記の長さがあれば、木材に木ネジが十分に食い込んでしっかり固定できます。また、下地となる木材を突き抜けない長さを選ぶのも大切です。

太さはあまり気にしなくていい、長さによってサイズが決まる

ネジ

木ネジを選ぶときは、太さをあまり気にする必要はありません。コーススレッド・スリムビスなど木ネジの種類による太さの違いはありますが、各木ネジには規格があり、太さは長さに応じて決まります。木ネジの長さと太さは、各商品のサイズ表を参考にするといいですよ。

木工DIY初心者は、木ネジの種類を決めて長さを選べばOKです。

使用場所に合わせて素材も選択

木ネジに使われる素材は、鉄・ステンレス・真鍮などが一般的です。それぞれの特徴を押さえておきましょう。

鉄:高強度で安い

鉄ネジ

鉄素材の木ネジは、高強度なのが特徴。幅広い木工DIYに使用できます。ステンレスなどの他素材よりも値段が安く、100均などで購入できる木ネジセットは鉄にメッキ処理をした商品が多いです。

ただし、鉄素材の木ネジは、錆びやすい傾向があります。屋外のウッドデッキや脱衣所の収納棚など、湿気が多い場所での使用は避けましょう。

安くて気軽に購入できるので、DIY初心者にぴったりの木ネジです。

ステンレス:錆びにくいため湿気が多い場所にぴったり

ステンレスネジ

ステンレス素材の木ネジは、錆・高温に強いのが魅力。屋外・脱衣所など、湿気が多い場所で使用する木工DIY作品におすすめです。

真鍮(黄銅):メッキ処理で装飾性に優れる

真鍮製ネジ

真鍮(黄銅)素材の木ネジは耐食性に優れており、錆びにくいのが特徴。ニッケルメッキ・金メッキなどメッキ処理された商品が多く、木工DIY作品をおしゃれに装飾するのにおすすめです。

真鍮のネジは電気を通しやすいため、電子部品の端子止めにも使用されます。

頭部の形状にも注目

「皿頭」「ナベ頭」「丸頭」など、木ネジの頭部にはさまざまな形状があります。作りたい木工DIY作品に合わせて、適した形状を選びましょう。

皿頭:頭部が平らで飛び出にくい、表面をフラットに仕上げたいときに

皿頭

皿頭の木ネジは、ネジ頭が平らで円錐型なのが特徴。ネジがしっかり沈められるので、木材から頭部が飛び出ません。表面をフラットに仕上げたい木工DIY作品におすすめです。

初心者の木工DIYは、ほとんどの場合皿頭の木ネジを使います。

ナベ頭:安くて汎用性が高い、あえて頭部を見せる作品に

ナベ頭

ナベ頭の木ネジは、頭部が鍋をひっくり返したような形状です。頭部が木材に沈まないので、デザインとしてあえて頭を見せたい木工DIY作品におすすめ。比較的安価なのもメリットです。

丸頭:接地面が大きく固定力◎、木材と金属プレートの接合に

丸頭

丸頭の木ネジは、半球形のような頭部が特徴。木材との接地面が大きいため、しっかり固定できます。金属プレートと木材の接合にも便利です。

木ネジは下穴をあけて使うのが基本、木工DIY作品がキレイに仕上がる

下穴をあける

木工DIYで木ネジを使うときは、基本的に下穴をあけてからネジを打ちます。木が割れるのが予防でき、作品がキレイに仕上がるからです。ガイドとなってネジがまっすぐ打てるのも、下穴をあけるメリット。失敗を減らすためにも、とくにDIY初心者は下穴を開ける手間を惜しまないのが大切です。

下穴の大きさは、木ネジ太さの70%程度が目安。やわらかい木材なら30~50%程度でもOKです。下穴を大きく開けすぎるとネジが効かず木材が緩んでしまうので、適したサイズの穴をあけるよう注意しましょう。

下穴を開けるときも木ネジを打つときも、垂直を意識するのが大切です。

まとめ:適した木ネジを選んで、木工DIY作品をキレイに仕上げよう

ねじDIY

今回は、木工DIYに使う頻度が高いネジの種類・選び方を解説しました。コーススレッド・スリムビスや半ネジ・全ネジなど、木ネジにはさまざまな種類がありましたね。DIY初心者は、この記事を参考に最適な木ネジを選んで、木工作品を美しく仕上げてくださいね。

木工DIYは楽しいもの!挑戦すればするほど上達します。DIY初心者は、どんどん木工作品作りにトライしましょう!

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